北海道からの旅④
北海道からの旅④
前回、
札幌の街を歩き回り
路上ライブが盛んなことも確認したので
自分もやってみようと思ったところでした。
【北海道神社】
路上ライブでもやってみよう。
そう決めた翌日。
それ以外の目的は特になく
歌の練習は宿じゃできないし、
準備するものはギターだけ。
もうそれは済ませた。
さて、夜までどうするか。
そんな私は、なんとなく
神社に行くことにした。
普段神社なんて行かないけど
なぜか興味が湧いたのだ。
札幌市にある、
いかにも北海道の神社って感じだ。
ここに行けば間違いないだろう。
そんな気がした。
なにより宿から近かった。
行ってみたいスープカレー屋も近かった。
↑なかなかいい感じ。
神社自体にあまり興味はないのだか
ここは、林道っていうのかな
境内までの道がすげー
広くって
長くって
ちょっとした公園みたいでよかった。
ていうか公園だなあれ。
よく考えたら、公園と繋がってるわ。公園だ。
すらーっとした木が気持ちいい間隔で生えてて
基本的に日陰なもんだから
ただでさえひんやりする北海道の夏で
天然のクーラーのようだ。
やっぱ、夏は北海道に限る。
そんな公園で、ベンチに腰掛けていると
妙な気配を感じた。
バサバサっ!
おお、カラスだ。
大きいな。
そして多いなぁ。
なんて思っていると、
叫び声が聞こえたのだ。
「たすけてー!」
驚いてそっちを見ると
10歳くらいの女の子が
聖火ランナーのようなポーズで
全力疾走しているではないか。
そしてそれをバサバサと追いかけるカラス。
「たすけて! ママー!」
近くにママがいるけども、ママは笑っている。
したたかな大人だ。
よく見ると、女の子は聖火ランナーのように
掲げた手の先に、なにか食べ物を持っているではないか。
そりゃ追われるわ。
心の中で、食べ物が盗られることを期待した
悪い私(たぶんママも)であったが。
少女は遠目にみてもかなりの俊足で
ゆうに200メートルは全力疾走。
見事カラスを振り切った。
漫画みたいだった。
彼女は
「もう外でご飯食べられない!」
と言って泣いていた。
もしも。
彼女がのちの金メダリストとかだったら
いいもん見れたな。
たまには神社もいいもんだ。
そう思いながら、夜になった。
→続く