ナナシナ日記

熊本発、無所属、新人。ナナシナタロウの日記です。youtubeチャンネル→【https://goo.gl/B0kt6a】

あいつ、なにしてんだろう。僕はワンマンまで一週間です。

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師走になってしまった。

早いもんだ。

 

無事に引越しを終えて、あーだこーだと準備をしていたら

 

あっという間に時間が過ぎてしまった。

あと一週間でワンマンだ。

 

おかげさまで多数の予約を貰っており、いい感じにプレッシャーを感じている今日この頃。

 

地道に活動を続けてきた甲斐があるというものだ。

 

最近、ツイッターやらフェイスブックやらのSNSについてよく考える。

 

スマホひとつあれば、まるで世界中と繋がっているような、可能性が無限大かのよう気持ちになる。

 

色んな告知もずいぶん便利になった。

 

10年前にはこれ、なかったからなぁ。

すごい変化だよ。

 

なんて、そんなことを考えているうちに思い出したこと。

 

そもそも、僕はSNSが苦手だったということ。

 

音楽をやるってなってから、

情報を発信するために必要だからって意味でアレコレ積極的に使い始めたけど

 

他人の私生活を見て嬉しい気持ちにならなかったし、

 

自分の私生活をわざわざ投稿することにも抵抗があった。

 

えらいもんが流行りだしたな、と思った。 

 

で、いまはどうかというと。

 

 

慣れた。

 

 

完全に慣れている。

 

 

SNSがある暮らしに、完全に

 

「慣れて」いる。

 

でも実をいうと今でも苦手ではある。

 

たぶん、僕は音楽をやらなかったら

 

あんまり積極的にSNSとかやってなかったと思う。

 

そして、類は友を呼ぶというのか

実際、仲良い友達とかも

そういうの苦手、というか興味ない?奴が多い。

 

というか、意外とそういう人って

まだまだ多いんじゃないかと、思うのだ。

 

僕のライブをよく見に来てくれる人も、SNSをやってない人が多い。

 

当然、僕のことをSNSでどうこう書くわけでもない。

 

こういう時代に生きてると、

ネット上で拡散された情報にこそ価値があるように感じてしまう瞬間があるけど。

 

ネットなんかに載ってなくたって、

ちいさな革命は

個人の中での爆発は

いろんなとこで起こっているのだ。

 

きっとそうなんだ。。

 

そんなことをぐるぐると考えていた。

 

そうすると、

 

ある友人のことを思い出した。

 

 

名を、トモゾウという。

 

幼稚園からの同級生である。

 

ちょっとシャイで、僕より背が高くて

 

頭が良くて、首が長かった。

 

どちらかというと真面目系に属するタイプ。

 

オシャレなんかには円遠い雰囲気だったが、

 

ジョークのセンスがあって

 

楽しいやつだったのを覚えている。

 

 

高校三年の終わり。

 

当時の実家、つまりは団地の自室でだらりとしていると

 

ふいに呼び鈴が鳴った。

 

玄関の魚眼から外を覗くと

 

うにょんと伸びたトモゾウがそこにいた。

 

その光景を僕は恐らく5年以上見ていなかった。

 

もう何年も遊んでいない友人が

 

いま目の前にいるのだ。

 

 

僕が高校生当時というと、

 

わりと多くの人間が携帯電話もしくは、PHSを所有し始める時代だった。

 

プリペイド式で安く手に入るものなどもあり、

 

僕の周りでもほとんどの人が何かしらの

 

モバイルフォーンをいじり倒していた。

 

 

意味もなく相手の携帯を一瞬だけならす、

 

ワン切り」「ワンコール」なる異質のコミュニケーションもあったが

 

話が長くなるので、それはさておく。

 

 

つまりはその頃、コミュニケーションの手段が

 

「携帯」「メール」に移行していた時代だったのだ。

 

 

そんななか、トモゾウは僕の家に来た。

 

急にだ。

 

予告なしで。

 

数年の時を経て。

 

固定回線すら鳴らさずに、だ。

 

 

うにょんと伸びた彼を見ながら

 

僕は、少し恐ろしくなってしまった。

 

え、来る?急に来る?

 

小学校とかの頃はそういうノリだったけど

 

高校生にもなって

 

電話も鳴らさず、急に家に来る?

 

なにかあったの、怖いんだけど。

 

 

いろんな思いが頭をよぎったが

 

いつまでも、

うにょんと伸びた彼を見ておく訳にもいかないので

 

玄関を開け招き入れた。

 

 

どうしたのか、急に。

 

なにかあったのか、と矢継ぎ早に質問をするが

 

 

「いや、いるかなと思って」

 

帰って来るのはそのシンプルな答えのみ。

 

 

その言葉と、ボサボサの頭と変わらないダサいベンチコートを見ていると

 

なんだか懐かしい気持ちになる自分がいた。

 

 

そして、気づいたこと。

 

まず、彼は携帯を持っていない。

 

超がつくほどの進学校に進んだため

 

恐らく勉強づけの毎日だったのだ。

 

これは想像でしかないが

 

彼のなかでの遊び方、というのは

 

小学〜中学の頃からストップしてしまったのだろう。

 

そして、受験がひと段落したこのタイミングで

 

ふっと遊びたくなったんじゃないだろうか。

 

それで僕の家を訪ねて来た。

 

固定電話すら鳴らさず、

 

いるかどうかも分からない、僕の家に。

 

 

その日は、くだらない話をして

 

久しぶりだからと、インスタントカメラで写真を撮った記憶がある。

 

話の内容は全く覚えていない。

 

 

彼とは結局それからも、ほとんど会うことはなかったんだけど

 

ふっと最近、この出来事を思い出した。

 

 

 

僕とトモゾウはSNSで繋がっていない。

 

いま何をやっているのかも知らない。

 

「あいつ、なにしてるんだろう」

 

十数年前のあのとき

 

あいつもそんな風に僕のことを思い出して

 

なんとなく家に来たのかなと想像すると

 

あの日のことがとても大切に思えた。

 

 

SNSなんかで繋がっていないからこそ生まれた

 

「元気かな」

「変わってないのかな」

 

という気持ち。

 

こういう時代だからだろうか、

なんならロマンチックにさえ感じてしまう。

 

 

 

 

最後にあったのは成人式のとき。

 

 

ほんとにあいつ、いま何してるんだろう。

 

 

僕はいま、ロマンチックに考えている。